株式投資におけるリスク管理の方法について

投資で致命傷を負わないためのリスク管理とは?

投資を行っていく上で最も重要なスキルとは?

 

このように質問された場合、「稼ぐためのスキル!」と答える人は、意外と沢山いらっしゃるのではないでしょうか?。

 

確かに、本屋に行って投資についての本を探した場合、ば多くの本がこの「稼ぐ」というスキルにフォーカスして書かれていることが多かったりします。

 

それは当然のことで、「稼ぐこと」が期待出来なければ、わざわざリスクを負って投資などをする意味がありません。

 

しかし一方で、その「稼いだお金を守るスキル」を学んでいなければ、例えば景気が反転して市場が暴落すればあっという間に稼いだ利益を食いつぶしてしまうと言ったことが起こりかねません!!

 

 

特にアベノミクス以降に投資を開始された方は、概ね右肩上がりの相場の中でスキルを磨かれてきた方が多いと思います。

 

確かに、2016年に多少の下落局面を経験されたかもしれませんが、概ね右肩上がりの相場と言っても問題ないレベルの下げ幅だと思います。

 

 

では、このまま右肩あがりの相場が続くのしょうか?

 

勿論、相場が上がり続けることは歴史的に見てもないので、どこかで反転して下がり始めるのは確かです。

 

但し、どのタイミングで下落に転じるのかは誰もが分かりません。

 

 

このような中、ここ数年の日本市場を見ると「官製相場」の様相を呈しているといっても過言ではない状況となっています。

 

日銀のマイナス金利によって大量の資金が市場に投入されており、また年金積立金管理運用独立行政法人や共済年金などの「公的年金」が、国内株を増やすポートフォリオへ変更し株価の底支えをしていることで、株価が上昇もしくは下落し難い相場になっています。

 

しかし、これらの巨大な運用機関も、上昇相場では過去の運用実績と比較して大きな利益を実現できますので批判も少ないでしょうが、市場が下落局面になってしまえば運用結果も悪化していくことは明白で、そのような状況になれば批判が集中し、これまでのよりリスクの低い(=リターンの低い)投資対象へ、ポートフォリオへの組換圧力が高まることは容易に想像できます。

 

つまり、株式への投資がし難くなるということです!!

 

そうなった場合、株価の底支え効果が薄らぎ、下落に拍車をかけることになり兼ねません。

 

更に安倍政権の任期切れが近づいて来ると、市場は先回りした動きが活発化してくることが想定されますので、現在のような「官製相場」も終焉を迎える日が来ることを想定しておく必要があります。

 

 

では更にグローバルに視野を広げてみるとどうでしょうか?

 

例えば米国では、リーマンショック以降、長期的にみるとほぼ右肩上がりで推移しています。

 

ヨーロッパでも英国のEU離脱問題や右派系の選挙での躍進等もありつつも、概ねこちらも2009年あたりから基本的に右肩上がりで推移しています。

 

また、アセアンのような新興国においても、トランプ政権の政策によって新興国からマネーが流出し、米国に流れる等の懸念もありましたが、こちらも概ね同様に右肩上がりで推移しています。

 

 

試しに米国株式のPERを幾つか調べてみるとわかるかと思いますが、かなり株価が高値圏を推移しているのがわかるかと思います。

 

NYダウやS&P500を構成する株式が、更に堅調に収益を増加させていくのであれば、現在の株価も妥当と言えるのかもしれません。

 

また、トランプ大統領の法人税の軽減が議会で承認されれば、企業の収益増に大きく寄与し、更なる株価の上昇も期待できるかもしれません。

 

但し、法人税の減税効果は既に株価に織り込まれていたが、最近は実現性に疑問符がもたれており上値が重くなっているように見受けられます・・・。

 

仮に、これらの政策実現が困難な状況になった場合、株価の上昇が止まるというよりは、下落を抑えていた鍋の底が抜けてしまうような状況になるのかもしれません・・・。

 

 

繰り返しになりますが、投資をする上で、収益を上げていくことはとても大切です。

 

しかし、最も大切なのは市場に居続けることだと思います。

 

 

仮に、下記のように(物凄く乱暴な例ですが・・)、

 

あなたの目標が1億円の達成で、現在10年目に突入したところだとします!

 

これまで好景気だったので、強気な投資を貫いてきて、夢に思い描いてきた1億円の達成にもう少しで手が届きそうなところまで来ています。

 1年目:1000万円稼ぐ
 2年目:1000万円+1000万円稼ぐ=2000万円
 3年目:2000万円+1000万円稼ぐ=3000万円
 4年目:3000万円+1000万円稼ぐ=4000万円
 5年目:4000万円+1000万円稼ぐ=5000万円
 6年目:5000万円+1000万円稼ぐ=6000万円
 7年目:6000万円+1000万円稼ぐ=7000万円
 8年目:7000万円+1000万円稼ぐ=8000万円
 9年目:8000万円+1000万円稼ぐ=9000万円
 10年目:9000万円+1000万円稼ぐ=1億円

 

 

しかし、ここ(10年目)で市場が反転し、不景気に突入したとします。

 

そして、持っていた資産は軒並み含み損が増えてしまい、仮に8割の資産を失ってしまったとします。

 

現在の9000万円ですから、8割の損失ですとマイナス7200万円で、1800万円からやり直しです。

 

まだ、信用取引などでマイナスにならなかっただけでも良かったかもしれません。

 

しかし、これまで長い年月を掛けて得た利益を失うばかりか、また同じ資金額まで回復するには、相当の期間を要してしまうことになります。

 

勿論、経験を通じて蓄積された知識がありますので、以前よりは早く戻ってこれるかもしれませんが、相当な遠回りをする羽目になってしまいます。

 

 

そんなことはないだろうと思うかもしれませんが、私も過去に下記のように資金の大半を失う経験をしました。

 

経験談4(FXとの出会いと壊滅的な損害を被る)

 

上記で痛かったは、損失も勿論痛かったのですが、リーマンショック後に現金が枯渇しており、その後の上昇相場で得られる収益機会を逸してしまったことでした。

 

これによって、私もかなり遠回りをしなければならない羽目になりました。

 

堅調に投資を進めてきたものの、好景気が続くと過去に収益を上げられた投資先も見つかり難くなり、従来よりもリスクが高いものに投資をしがちになります。

 

 

若干、例えが強引過ぎましたが、準備(=ポートフォリオ、知識、経験)が出来ていないところに、急激な環境変化が生じると、自分でも想定していなかった境遇に陥り、想像以上の損失を被る可能性があるのは意識しておかなければなりません。

 

 

そのため、不安・危険を感じる市場環境となった場合は、環境に応じて対処を出来るようにするという考え方も大事ですが、そもそもその環境変化によって生じるであろう危険を事前に準備しておいて対処できるようにしておくと言う考え方が重要です。

 

重要なので、もう一度言いますが、物事が起きてから「対処する」ではなく、事前に準備をしておいて対応出来るようにしておくです!!!

 

具体的な手法は、人それぞれでしょうが、

 

 ・現金ポジションを増やす

 

 ・過度な期待をせず、ある程度の利益で売り抜ける

 

 ・取り巻く市場環境の動向から影響を受けにくい株式を購入する

 

 ・株価の変動とは違う動きをする投資対象に切り替える

 

 ・レバレッジは極力控える

 

 ・ベア型のETFを購入する

 

等の方法があります。

 

つまり、「現金化しておく」、「下げで利益を得れるようにしておく」、「下げで想定外の損失がでないポートフォリオにしておく」、「市場環境に影響されない小型株などを購入する」等、ポートフォリオの中身を変更させておく等の対処です。

 

 

とは言え、まだまだ市場は上がっていくよと確信を持ち、そのリスクを自分で負う覚悟がある方は、まだまだ勝負するのが良いのかもしれません。

 

確かに私は、利益の確定も早めに手を打ってしまい、且つ、来るべき下落相場に向けて早めに防御ポジションを組み替えてしまうため、致命傷は避けられることが多いのですが、得れるべきだったかもしれない利益を数多く逃してきたのも事実だと思います。

 

まさにこの辺りの舵取は、投資家それぞれのスタンスが如実に表れるところであり、正解と言うものはありません。

 

ただ、私個人としては長く投資の世界に居続けるには、やはり常に致命傷を負わないためのリスク管理を徹底しておくことが、極めて重要だと考えています。

 

 

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