株式投資におけるPERとPBRの関係性

株式投資におけるPERとPBR

株式投資を始めたけど、まだ慣れていない、投資する際にどのような指標を用いて分析したらよいか分からないという方がいらっしゃいましたら、まず最初に勉強をお勧めするのが「PER」と「PBR」です。

 

まず、「PER(株価収益率)」について触れてみたいと思います。

 

いきなり数字を並べてもイメージしにくいかと思いますので、例を用いて説明してみたいと思います。

 

例えばAさんが1,500万円で投資用のワンルームマンションを購入したとします。

 

月々の家賃から諸経費を差し引いたとして、月々の手取りが5万円だったとすると、年間の手取り収入は5万円×12か月で60万円となります。

 

仮にこの5万円という収入が変わらないとしたら、何年で1,500万円を回収できるでしょうか?

 

それは、1,500万円÷60万円=25年間ということになります。

 

計算式では、PER = 株価 ÷ 一株当たりの利益(EPS)となり、

 

ワンルームマンションの価格が株価で、年間の手取り収入を一株当たりの利益(EPS)と考えれば、わかり易いかと思います。

 

注意しないといけないのは、EPSは単年度の利益をもとに算出していますので、将来におけるEPSの変動は、考慮されていないこと。

 

特別損失や利益による影響によって、本業における収益とは関係なくEPSが変動してしまうこと。

 

など、色々と注意すべきことはありますが、投資額を回収するのにかかる大凡の期間を読み取る指標としては、有効に活用できると思います。

 

筆者としては、15倍以内(15年以内での回収)を1つの目安としています。

 

 

次に、「PBR(株価純資産倍率」についてですが、

 

こちらは、企業が保有する資産から負債を引いて、発行済株式数で割ったものが、「BPS(一株当たり株主資本)」となり、株価をこの「BPS(一株当たり株主資本)」で割ったものが、「PBR(株価純資産倍率」となります。

 

もう少しわかり易く言うと、企業が持っている資産が1億円、負債の合計が5,000万円だったとすると、資産−負債は、5,000万円となります。

 

株式発行数が5,000枚だったとすると、「BPS(一株当たり株主資本)」は5,000万円÷5,000枚で10,000円となります。

 

株価が8,000円だったとすると、8,000円÷10,000で0.8倍となります。

 

つまり、企業の資産価値が10,000相当あるのに対して、市場において8,000円で売り出しているのでその分お得と言うことになります。

 

筆者の場合は、もう少し保守的に算出するために、企業が持っている資産を算出する場合は、流動資産(現金や株式などの現金相当物)だけを足し合わせ、借金は返済しなければならないので、借金の合計値を差し引き、それを株式発行数で割ったものを、株式と比較して倍率を算出しています。

 

企業を清算する時は、従業員の退職金や資産の売却手数料など、諸々の費用が必要となります。

 

これらのコストを固定資産の売却費と大凡相殺すると言うのが、固定資産を含めて計算しなかった理由です。

 

筆者の目安としては、このPBRは、1倍以下の株式を対象に投資するようにしています。

 

 

なお、ここで紹介した「PER」「PBR」はあくまでも参考指標に過ぎません。

 

例えば、PERで考えると、来年度から全く企業利益が出ないのであれば、幾らこのような数値を計算したところで、全く意味をなしません。

 

仮に計算上は10年で回収出来るとなっても、来年度から利益が出ないのですから、永遠に回収は出来ないことになります。

 

まずは、企業の分析に慣れていない方の場合でも、企業の報告書に目を通し、ビジネスの構造がどうなっているのか?継続的に収益を得られる構造となっているのか?今年度の利益は特殊な利益(資産の売却益など)になっていないか?などを調べてみて、自分なりに今後も利益を確保し続けられるという確信を得る必要があります。

 

その上で、上記のPER、PBRを保守的(厳しめ)に参考地として用いれば、投資で失敗するリスクは軽減されていくのです。

 

 

 

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