株式投資における長期投資の実態

株式投資における長期投資の実態とは?

株式投資における長期投資とはどのようなものでしょうか?

 

これは意外と難しい問だと思います。世の中には沢山の投資理論やテクニックがありますが、恐らくは永久に有効な投資理論などはないのだと思います。そういった意味でも、この長期投資と言う一つの考え方も確立された定義と言うものは本来ないのだと思います。こうした背景を踏まえつつも、今回は少しこの長期投資について思うことを少し述べさせていただきます。

 

まず、長期投資という言葉で多くの方がイメージされるのが、ウォーレン・バフェットの「株式投資とは、会社の一部を所有すること」とか「株式の永久保有」と言う考え方だと思います。

 

この長期投資ですが、言葉や本で読むとそれほど難しく感じませんが、何年か株式投資をやっていると意外と実践するのは難しかったり、長期投資をしていたはずが振り返ってみるとそうでなかったりしたりするものです。

 

そもそもこの株式というものですが、会社をコントロールできるレベルの大株主は除いて、一般の個人投資家の場合は基本的に収入が見込まれるのは、配当であるインカムゲインと株価の上昇によるキャピタルゲインの2つが中心となります。(この際空売りとかはおいて置きましょう)

 

長期投資で例えば10年間位は売却をしないとした場合、このキャピタルゲインは10年間は入ってこないので、基本はインカムゲインである配当が毎年の利益となります。

 

もし、この株式投資で経済的自由を達成しようと考えた場合、投資対効果の低い配当収入だけで経済的自由を達成することは、極めて非現実的であることに気付かされます。

 

一方で、株価も一本調子に右肩上がりで推移すれば何の苦労もありませんが、所有する株式の株価も冴えない状況が続くと、飽きてきて嫌気がさし、長期投資を身上としていたばずが短期で売却してしまったということは良くあることです。そして気付いたら長期投資をしていたはずが株価を追いかける投資スタイルになっていたなんてことがあります。

 

自分でも気が付かないうちに、相場を見て行動するという罠にはまっており、やはり長期投資は現実的ではないなという考えに行き着くのです。

 

 

では、この長期投資の原則的な利益の得る方法とはどのようなイメージなのでしょうか?

 

これは、景気の循環に伴う株式市場の厳しい調整を何度か乗り越え、数十年年後に企業の成長等と共に、投資家として投資の果実を十分に回収できる水準まで保有するということです。

 

この長期投資は、幾つかのメリットがあります。

 

例えば短期投資の場合は、頻繁に売買手数料や税金がかかるため複利の効果が薄まります。例えば同じ100万円を年7%で運用した場合、毎年の利益に税金が20%掛ったとすると30年後の資産額は513万円ですが、複利の場合は761万円となります。(計算が間違ってたらすみません。ざっくりのイメージでとらえて下さい。)長期投資の方が将来得ることのできる利益が大きくなっていることが見て取れます。

 

また、毎年、利益を上げ続けなければならないという強迫観念から解放され、長期的なスパンで利益を得ることに集中することが出来ます。従って、マーケットを俯瞰的な立場で見続けることが可能となります。

 

但し、難しい部分もあるのも事実です。

 

1つ目には、本来買う価値がなかった株式を所有してしまった場合、貴重な時間を長期にわたってロスしてしまうことになります。また、例え価値ある企業の株式を購入できたとしても、明らかに割高な状況で買ってしまえば十分な投資の果実を得ることは出来なくなります。

 

2つ目として、長期にわたって、その株式の価値を確信し続けなければなりません。時にマーケットはヒステリー状況に陥りますが、ここで動じない胆力は言葉で表すと簡単ですが非常に実行し続けるのは難しかったりします。

 

3つ目としては、やはり原則としては成長の可能性を秘めた企業が投資対象になるべきと考えます。株価が乱高下しながらも、全体として右肩上がりの株価水準を維持したり、株式の分割等によって資産額が右肩上がりでなければ、結局10年間株価が一定のボックス圏内を上下したに過ぎなくなってしまうからです。まして、こうした企業を成熟した日本市場において見つけだすことは意外と難しかったりします。

 

その他にも色々と難しい部分はりますが、それでも長期投資を行うと決断したならば、徹底的にその企業について調べつくすしかありません。

 

将来にわたって利益を上げていくために企業として行っていることは何か?今回生じた損失の根本原因は何か?等々、色々と調べなければならないことがあります。

 

実際にこれらを分析することはとても難しかったりします。まして、多くの業種にわたる事業を持つ会社の場合、単一事業のみを展開する会社と比較するとその困難さは更に増します。

 

それらの分析を経ると、その眼鏡にかなう投資対象は、ほんの一握りしかないことに気が付くはずです。

 

だからこそ、長期投資を行うに当たって、分散投資など、原則ありえないと筆者は思っています。

 

然しながら、こうして経緯をへて投資した株式であっても、実態として成功するのはほんの一握りの株式のみであり、それこそ10倍株になったなどの大成功は一生のうち数回巡り合えるかどうかかもしれません。しかし、このたった数回であっても億万長者になれるのが長期投資のメリットでもあります。

 

 

少し長くなってしまいましたが、こうした分析を経て株式を購入し、市場のヒステリーに負けず保有することが、言葉でいう以上に、実態としては難しそうだなと言うのが何となく実感出来たのではないかと思います。

 

然しながら、株式投資で成功して経済的自由を手に入れるためには、こうした「壁」を乗り越えていかざるを得ず、それを乗り越えられた者だけがその果実を得ることが出来るのです。

 

 

 

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