市場の暴落時に向けて備えておくべきこと
投資市場においては、一方的に上昇し続けることはなく、いつかは下落局面に入るものです。
現在の市場が上昇局面と言うべきかは別として、市場が下落した場合にどのように対処すべきかを事前に準備しておくのは無駄ではないと思います。
投資市場において長期投資を行っている中では、市場環境が大きく変化する時は、絶好の仕込み時となることが多いと思います。
それは上昇相場に変化する時は当然のこと、市場が高騰化し下落相場に移るときも大きなチャンスとなります。
然しながら、単に株式の現物取引の方法しか知らない状態では、ただ下落していく相場を指をくわえて眺めているしかありません。
下落相場において、利益を得る典型的な方法は信用取引(空売り)となります。
また商品先物取引なども、典型的な取引と言えるかもしれません。
但し悩ましいのが、これらの投資が長期投資に馴染むかと言うと、個人的な意見では中々難しいなと言うのが実感です。
例えば株式市場において、4・5年後がどのような方向に推移していくかと言われれば、高い確率で○○の方向に進んで行くだろうと言うのは筆者としては推測できます。
然しながら、これを10か月後にどうかと言われると方向性は○○だが、実態としてそうなっているかは中々確信を持って言えない状況です。
また空売りの場合も逆日歩が発生してしまい、無駄な利子を支払いたくないと思いから、どうしても短期的に売買してしまうというバイアスが働いてしまいます。
では、長期投資と下落局面をどのように共存させるかについては、過去に債権を絡めた投資方法についてご紹介させて頂きました。
しかしこの債権と言うのも曲者で、欲しい銘柄が市場に出回っていないことも多く、また日本人ならではなのかもしれませんが、安全資産と言える債権に対しては非常に群がる傾向があるので、思ったよりも価格が下がらなかったりします。
その為、思ってるほど利益を得ることが難しかったりします。
で、結局あなたはどうしてるの?と言う声が聞こえてきそうですが、筆者は「eワラント」「CFD」「ETF」等を活用してますが、今回は「ETF」について語らせて頂こうと思っています。
そんなもの常識だよ!と言う方は、この後の内容は読み飛ばして下さい。
この「ETF」ですが、誤解を恐れずに書くならば、投資信託をネットで簡単に売買でき、更に手数料が投資信託に比べて安くなったものと理解頂ければと思います。
例えば、株式に連動するETFの場合、株価指数の指標に連動して価格が推移しますので、現物株価が上がればETF価格も上がり、逆に下がればETF価格も下落します。
株価が下がる局面においてはベア型のETFを購入しておけば、下落幅に応じてキャピタルゲインを得ることが出来ます。
ここで良いのが、先物取引のように限月があるわけでなく、また逆日歩を支払う必要もありません。
要は、株式の現物取引の逆で、市場が高騰しきったタイミングで、ベア型のETFを購入しておいて、あとは数年間寝て待てば良いわけです。
但しETFにもデメリットがあり、日本の証券会社で取り扱っている銘柄においては、ベア型の銘柄は数が限られています。
ETFの先進国であるアメリカなどと比較すると寂しい限りです。
海外の証券会社や銀行に口座を開いて、そこから取引を行うと言う方法もありますが、昨今ではブラックマネーの取り締まりから、現地に暮らしていない者の口座開設は制約が設けられる傾向にあり、仮に口座を開設出来たとしても、例えば半年以上資金を動かしていない場合は、口座を凍結されてしまい凍結解除のためには現地に行かないといけないなどの事例もあったりします。
どの取引にもメリット・デメリットは付き物ですが、こうした点も理解しつつ、自分にあった投資対象を事前に準備しておき、来るべき時に備えておくと言うのは悪くはないものと思います。
まだ下落相場にむけた準備が出来ていないと言う方がいらしゃったら、こうした取引についても調べてみては如何でしょうか?