株式投資でPERとPBRのどちらを重要視したら良いのか?
株式投資でPERとPBRのどちらを重要視したら良いのでしょうか?
勿論ですが、投資の手法やその時の市場の状況によって、答えは変わってくるかとは思います。
私も投資初期のころは、どちらかと言うとPBRを重要視していました。
私が投資を始めたのは2001年ですが、当時は割安株がゴロゴロしており、大規模な会社でもPBR1倍を割り込むような株式が沢山見つけられたと言うのもありました。
まあ、当時は企業価値の分析・算出方法も良くわかっていなかったので、その会社のビジネスが将来に渡って少なくとも赤字ではなく黒字を出し続け潰れると言える状況であれば、割安な時期に買っておけば失敗は少ないだろうくらいの感じでした。
更に倒産リスク回避の意味も含めて、潰れることはほぼ考えられない大型の割安株を多く買ったりしていました。
そして、これらの株式は、その後の景気の回復とともに、大化けはしませんでしたが一定レベルの利益を私にもたらしくれました。
しかし、この投資スタイルは、私にとって深刻な悩みをもたらすことになりました。
好景気になるにつれ、割安株がほとんど見当たらなくなってしまったのです。
そのような中でも、何とかPBRがまだ低く据え置かれている会社を選んで買ったりしていたのですが、このような時期に買った株式は余り多くの利益をもたらしてはくれませんでした。
それもそのはずで、不景気の時代はビジネス的に収益構造がしっかり出来上がっている会社も、市況に引きずられて割安になってしまうことが多々あるのですが、好景気の時の割安株はそれ相応の理由があって割安に据え置かれていることが多いのです。
そのため、数値だけを見てビジネス(収益)構造に問題のある会社を買ってしまい、前年比で減収になってしまったり、赤字に転落するなどによって、更に株価が下落してしまうなどの事態に直面したりしました。
これらの経験より、単にPBRが割安だからという理由だけで割安株を購入することはやめました。
現在は、その会社のビジネス構造が、将来に渡ってどれ位の利益をもたらすかと言うことを最も重要視しています。
まあ、簡単に言ってしまえば、1,000円を持っている会社があったとして、発行済株式数が10枚であれば「1,000円÷10枚=100円/枚」となります。
そして、来年も利益を100円出すのであれば(1,000円+100円)÷10枚=110円/枚となります。
その次の年に200円を得られるだろうと想定できるのであれば(1,100円+200円)÷10枚=130円/枚となります。
当然、上記のような単純計算で株価が決まる訳ではありませんが、話を単純化するためご容赦下さい。
言いたかったのは、上記で言うと「100円+α」の「α」を、どう分析するかが重要ということです。
100円の方の資産価値は、勿論分析によっては変動はあるものの、バランスシートを見れば概ねの数値感は把握できます。
しかし、「α」の部分については、その会社のビジネス構造をどう分析するかで、結果が大きくことなってきます。
つまり、ここに「株価の歪」が生まれる要因が存在するのです!
そのため、なぜ現在割安な状況に据え置かれているかを分析し、市場に気が付かれれば価値相当に株価が上昇するだろうというカタリストを見つけた際には、満足のいく株数を集中的に投下するようにしています。
とは言え、このような完璧な条件を満たしている株式は余り見つからないため、「一定の利益を出せるビジネス構造は有しているが何らかの一時的な要因によって収益が悪化している」とか、「過去最高益を更新し続けて成長が見込まれることに市場は気が付いているが、市場が想定しているよりも更に成長が見込まれるためにまだ割安と言える」などの、株式を購入したりしています。
話が長くなってしまいましたが、本日のテーマに戻って私としての回答を出すのであれば、資産価値(PBR的観点)も将来の利益(PER的観点)のどちらも購入の是非を決める際の判断材料にはなっているものの、将来の得れるべき価値(PER的観点)の方を重要視している状況となっております。
最後にですが、本日の記事ではPERとPBRの本来の意味と、記事の説明がずれている部分があることは理解しておりますが、伝わりやすさを優先させて頂きたかったため、その点はご容赦願います。